むずむず脚(ムズムズ足)症候群とは、

1)足の不快感のため、足を動かしたい衝動にかられる
2)足を動かすと、この不快感が軽くなる、あるいは治まる
3)この不快感は、夕方から夜にかけて、特に寝ようとすると強まる
4)安静時や横になったり静かに座っているときにこの不快感が現れる、または強くなる

という、「主に夕方から夜間にかけてリラックスしているときや寝ようとしてウトウトしたときに、足に妙な不快感を感じて眠いにもかかわらず眠れず、歩いたり、マッサージなどをするとこの不快感が軽くなったり消えたりする」ことを特徴とする病気です。なお、この不快感は“足”だけでなく腕や腰、殿部(お尻)などにも起きることがあり、また、寝付くときは気にならなくても夜中に目覚めたときに同じような不快感を感じて眠れなくなることもあります。”ムズムズ脚(むずむず足)”という名前ですが、不快感は脚の奥深いところで”虫が這うようなムズムズ感”だけではなく、”電気が流れるようなしびれ感”、”ほてり感”、”じりじり焼けつけるような”、”水がサラサラ流れるような”、”押しつぶされるような”不快感など、なんとも言えない不快感が生じます。また、はじめは夜だけだった不快感が昼間や夕方にディスクワークや勉強で静かに座っているときや、新幹線や飛行機など乗り物に長い時間座って乗っているときにも起きるようになることもあります。

 主に夜に不快感が生じ、日中にはほとんど症状がでないため、病院を受診しても「気のせい」とされたり、不快感で眠れないことだけをとりあげ、睡眠薬を処方されるものの、睡眠薬で眠気が強まるといっそう不快感が強まり、眠いのに眠れないという辛い思いをすることが多い病気です。

 むずむず脚(むずむず足)症候群の歴史は古く、17世紀の医学書に「夜になると足の不快感で眠れない」患者のことがイギリス人医師のThomas Willisによって紹介されています。その後、1945年になって、スウェーデンの神経内科医のKarl-Axel Ekbomによって「むずむず脚(ムズムズ足)症候群」(Restless Legs Syndrome:RLS)という病名で紹介されました。その後も、この病気はほとんど注目されずにいましたが、睡眠の重要性が注目されるようになった20世紀後半になり、ようやく足の不快感で眠れない、つまり不眠の原因になる病気として1995年に診断基準がつくられました。

 2005年に発表されたヨーロッパ6カ国を対象にした調査では、週に1回以上、むずむず脚症候群による足の不快感を経験した人が約4%(100人中4人)、日本人では約2%(100人中2人)と報告されており、決してめずらしい病気ではありません。どちらかというと女性に多く、年齢が高くなるほど、むずむず脚症候群による足の不快感が気になる人が増える傾向があります。

 

むずむず脚(むずむず足)症候群の原因

 45歳以前にむずむず脚症候群の症状を認めた人の約30%に家族でも同様の足の不快感を訴える人がいると報告され、遺伝・体質的な原因があるとされています。また、貧血や重度の腎臓病(透析患者)、妊娠中の人や抗うつ薬を服用している人にもむずむず脚症候群による足の不快感を訴える人が多く、体の病気や薬の影響でむずむず脚症候群が起きることがあります。さらに、過労や睡眠不足、飲酒・喫煙・コーヒーなどカフェイン飲料を摂ることでむずむず脚症候群の足の不快感が強まることが多いとされています。

 

むずむず脚症候群の治療

 むずむず脚症候群による症状が軽い場合は、症状を悪化させるとされる嗜好品(飲酒・喫煙・カフェイン)を控えたり、過労や寝不足で悪化しているようなら規則正しく十分な睡眠が取れるように生活習慣の改善で症状が軽くなることがあります。

 むずむず脚症候群の症状が強く、そのため、眠れない、途中で目が覚めるなどの不眠症状がある場合はむずむず脚症候群の不快感を抑える薬を服用することになります。むずむず脚症候群の治療薬の中には翌日の眠気やだるさが出たり、量を増やすと逆に効き目が悪くなるという副作用があるものもあり、また、むずむず脚症候群の症状がでやすい妊娠中には使用が禁止されている薬剤があるため、専門的な知識をもとに適切な治療薬を適切な量で服用する必要があります。

 また、むずむず脚症候群の原因に、貧血など体の病気が隠れている場合は、もとの病気の治療を行うことでむずむず脚症候群の不快感が軽減あるいは改善することもあります。そのため、むずむず脚症候群を引起こす可能性のある体の病気に対する検査・診断・治療も必要になります。

 

参考
むずむず脚症候群簡易セルフチェック(むずむず脚解消ナビ)
脚の不快感が止まらない…「むずむず脚症候群 」とは?(Medical DOC)

青山・表参道睡眠ストレスクリニック