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レストレスレッグス症候群

 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群:RLS)とは、夕方以降、特に眠る前に、足などに妙な不快感が生じて、寝付けなくなる、つまり、不眠の原因になりうる病気です。足に不快感があるだけでは、レストレスレッグス症候群の診断にはなりません。以下の4つの特徴がそろったとき、始めて、レストレスレッグス症候群が強く疑われます。

1:脚を中心とした不快感
夕方以降、リラックスしてテレビを見ているなどの安静時やお布団・ベッドに入った後に、脚の表面では無く、深いところ(骨と筋肉の間とか、筋肉の奥の方と訴える方が多いです)に、何ともいえない不快感がある

2:この不快感のため、じっとしていられない

3:脚を動かしたり、マッサージをすることで、この不快感は消失、あるいは軽くなる

4:夕方以降、夜にこの不快感が出現する、あるいは、悪化する

 

 レストレスレッグス症候群は、日本人では、症状が軽い方を含めると4%(100人に4人)くらいの頻度と言われ、治療を必要とするほどの不快感を訴える人は1%程度と言われています。年齢が高まるほど、レストレスレッグス症候群の症状を認める人が増え、どちらかというと、女性に多い傾向があります。

 

 原因としては、

特発性:遺伝・体質が原因で、40歳以前から症状を認めることが多い。家族にも同様な症状を訴える人がいることが多い

2次性:体の病気や薬・嗜好品の影響によるもの。例として、
・鉄不足

・貧血
・腎臓病(透析するほど重症な場合)
・妊娠中
・抗うつ薬や向精神薬を服用中
・カフェイン、喫煙、飲酒
があります。

 

治療法

 RLSは脳の付け根あたりにあるA11神経系の働きの異常が原因とされているため、A11神経系のドパミンの作用を助ける薬が有効とされています。また、ドパミンの合成に鉄分が必要なため、明らかに鉄不足状態になっている場合は、補助的に医薬品の鉄剤を処方することもあります。また、過剰に興奮した神経を押さえる作用のある薬を処方することもあります。2次性のRLSの場合、原因となった病気が改善したり、原因・悪化要因となる嗜好品(カフェイン、お酒、煙草)を止めることで症状が改善することもあります。

 なお、ドパミンの作用を助けるお薬を、「不快感がとれないから」といって多く服用すると、薬の効かなくなるばかりか、逆に不快感が強まる(この現象を「オーグメンテーション」と呼びます)ことがあるので、自己判断でお薬を増やして飲むことは決してしないで下さい。

 

周期性四肢運動障害(PLMD)

 レストレスレッグス症候群の方の多くに、睡眠中に、脚が小刻みに周期的にピクピク動く「周期性四肢運動(PLM)」を伴うことがあります。自覚的な不快感がなく、小さな動きだと、一緒に生活しているご家族も気づかないことがありますが、これが頻繁に起きると、眠りが浅くなり、「熟眠障害」や「中途覚醒」の原因になり、ときに日中の眠気に繋がることもあります。PLMを確認するためには、一泊の泊まりの検査が必要です。

 

【院長の「レストレスレッグス症候群」に関する業績】

医学系雑誌

・中村真樹、井上雄一:むずむず脚症候群の最近の動向. 老年精神医学雑誌,20(増刊号Ⅲ): 133-139, 2009
・中村真樹、井上雄一:アジア人でのレストレスレッグス症候群の疫学と臨床的特徴,睡眠医学,睡眠医療,4(1):8-14, 2010

・中村真樹、井上雄一:<新しい疾患概念を作った薬>レストレスレッグス(むずむず脚)症候群 プラミペキソール,JIM 20(4):282-285, 2010
・中村真樹、井上雄一:むずむず脚症候群, 老年精神医学雑誌、21(9):971-980, 2010
・中村真樹、井上雄一:レストレスレッグス症候群の現状と治療、臨床精神薬理 15(4):451-460, 2012
・中村真樹、井上雄一:レストレスレッグス症候群、「わたしの診療手順」臨床精神医学 第40巻増刊号、254-256, 2012
・中村真樹、井上雄一、むずむず脚(下肢静止不能)症候群(restless legs syndrome)、臨床雑誌「内科」109(6):968-971, 2012
・中村真樹、井上雄一、レストレスレッグス症候群、カレントテラピー 33(4):43-50, 2015

 

論文(共著含む)

・Kobayashi M, Namba K, Ito E, Nishida S, Nakamura M, Ueki Y, Furudate N, Kagimura T, Usui A, Inoue Y. The validity of the PAM-RL device for evaluating periodic limb movements in sleep and an investigation on night-to-night variability of periodic limb movements during sleep in patients with restless legs syndrome or periodic limb movement disorder using this system. Sleep Med 2014 15(1):138-43
・Suzuki K, Miyamoto M, Miyamoto T, Suzuki S, Inoue Y, Murata M, Matsui K, Nishida S, Hayashida K, Usui A, Ueki Y, Nakamura M, Hirata K. The effect of comorbidity of restless legs syndrome and migraine on sleep and mood: an integration of multicenter data. Sleep Biol Rhythms 2016 14:187-191
・Takahashi M, Nishida S, Nakamura M, Kobayashi M, Matsui K, Ito E, Usui A, Inoue Y. Restless legs syndrome augmentation among Japanese patients receiving pramipexole therapy: Rate and risk factors in a retrospective study. PLos One 2017 12(3):e0173535

書籍
・ 中村真樹:ビ・シフロールと鉄剤を併用する意外な疾患、「日経DIクイズ・精神・神経疾患編」、日経BP、pp119

学会発表(共演含む)・学会講演

・内山敬晴、田ケ谷浩邦、井上雄一、中村真樹、小林美奈:未治療のむずむず脚患者における健康関連QOL尺度及びこれに影響を及ぼす因子の検討、第36回日本睡眠学会、京都(2011.10.15)
・小林美奈、難波一義、西田慎吾、中村真樹、井上雄一、飯森眞喜雄:レストレスレッグス症候群(RLS)患者の周期性四肢運動(PLM)日差変動測定における簡易検査装置(PAM-RL)の有用性、第36回日本睡眠学会、京都(2011.10.15)

・西田信吾、中村真樹、小林美奈、松井健太郎、伊藤永喜、碓氷章、井上雄一:レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)患者のpramipexole治療下におけるaugmentation発症の実態、第38回日本睡眠学会、秋田(2013.6.28)
・鈴木紫布、鈴木圭輔、宮本雅之、宮本智之、井上雄一、松井健太郎、村田桃代、西田慎吾、林田健一、碓氷章、植木洋一郎、中村真樹、沼尾文香、平田幸一:レストレスレッグス症候群と片頭痛との関連、第40回日本睡眠学会、宇都宮(2015.7.2-3)

・市川・新浦安エリア精神科医RLS勉強会:レストレスレッグス症候群の診断と治療、千葉(2013.5.17)
・むずむず脚症候群友の会講演会:むずむず脚症候群とオーグメンテーション、東京(2013.11.10)
・北海道透析療法フォーラム:透析患者と睡眠障害、札幌(2013.12.7)

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