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不安障害

米国精神医学会が作成したDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition)では、不安障害は、以下のように分類されています。なお、DSM-5から「不安障害」は「不安症」と呼び方が変更になっています。

 ・社交不安症(社交不安障害・社交恐怖)
 ・パニック症(パニック障害)
 ・広場恐怖症
 ・全般不安症(全般性不安障害)
 ・分離不安症(分離不安障害)
 ・選択性緘黙
 ・限局性恐怖症

このなかでも、社交不安症は1.4%(1,000人に14人)、全般性不安症は1.8%(1,000人に18人)と、この症状に悩む方が多い症状とされています。

 

社交不安症(SAD)とは、

「スピーチや発表など、他人の注目・視線を浴びるかもしれない状況において、苦痛を感じるほどの恐れや不安を抱き、それを極力回避しようとすることで日常生活に支障を生じる」疾患です。

 このような不安を増強する状況になったときに、

・赤面(顔が赤く火照る)                ・手足の震え

・声が震える                                        ・発汗

・胃腸の不快感、下痢                        ・動悸、呼吸苦感

といった、体の症状(生理的反応)を伴うことが多いです。こういった不安・緊張といった気分の症状や体の症状が原因で、社会生活場面を避けようとしてしまい、不登校や出社拒否、仕事等のパフォーマンスの低下の原因になることもあります。また、このような不安・緊張状態が続くことで「うつ状態」を併発するリスクも高いと言われています。

 

社交不安症の治療

 意識して不安を抑えようとすることで、より不安が強まったり、体の症状が出現したり、不安が生じそうな場面が予想されると不安が生じる(予期不安)という悪循環に陥ることが多いため、最小限の抗不安薬やSSRIによる薬物療法を行います。不安を感じていた場面やそれが予想される状況下でも不安が生じない、体の症状が生じなくなっても、すぐに服薬を中止はせず、ゆっくりと、時間をかけて服薬量を減らしていきます(漸減療法)。

  

全般不安症(GAD)とは、

「仕事や学校など、多くの状況下で、過剰な不安と心配が、6ヶ月以上持続」し、

・緊張、過敏
・疲れやすい
・集中力低下、心の空白感
・イライラしやすい(易怒性)
・肩こりなどの筋肉の緊張
・不眠(入眠困難、中途覚醒、熟眠感欠如)

といった6つの症状のうち3つ以上認める、ことを特徴としています。治療は、社交不安症(SAD)と同様に、必要最小限の抗不安薬・SSRI等で不安を軽減を行います。

 

※パニック症、広場恐怖症は→パニック障害をご覧下さい。

 

【院長の「不安障害・パニック障害」に関する業績】

論文・研究報告書
Nakamura M, Sugiura T, Nishida S, Komada Y, Inoue Y: Is nocturnal panic a distinct disease category? Comparison of clinical characteristics among patients with primary nocturnal panic, daytime panic, and coexistence of nocturnal and daytime panic. J Clin Sleep Med 2013; 9(5): 461-467
中村真樹、井上雄一:不安障害と睡眠. 精神医学, 51(7): 649-657, 2009
中村真樹、井上雄一、不安障害、日本臨床増刊号「最新臨床睡眠学」, 645-651, 2013
井上雄一(分担研究者)、中村真樹、駒田陽子、難波一義、小林美奈、對木悟:分担研究報告書 パニック障害と閉塞性睡眠時無呼吸症候群合併例における鼻腔持続陽圧呼吸療法のパニック症状に対する効果. 厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学事業)精神疾患に合併する睡眠障害の診断・治療の実態把握と睡眠医療の適正化に関する研究 平成20年度総括研究報告書、81-87, 2008

学会発表・講演
中村真樹、杉浦健生、駒田陽子、難波一義、尾崎紀夫、井上雄一:パニック障害における夜間睡眠時パニックの臨床的特徴、第1回不安障害学会、東京(2009.3)
中村真樹、杉浦健生、駒田陽子、難波一義、作田慶輔、林田健一、渡邊芽里、井上雄一:夜間睡眠時パニックの臨床的特徴、第29回日本精神科診断学会、東京(2009.10)
中村真樹、井上雄一:シンポジウム「精神疾患と睡眠障害」‐パニック障害と睡眠障害‐、第37回日本睡眠学会、東京

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