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概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害とは

・体内時計の乱れにより、社会生活を行う上で、望ましい時間に眠れない、起きられなくなった状態を言います。

・睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3:日本語訳作成中)による正式な病名は「概日リズム睡眠・覚醒障害:CRSWD(Circadian Rhythm Sleep-Wake disorder)」で、主に以下の6つに分類されます。

  • 睡眠・覚醒相後退障害(DSPD:Delayed Sleep-Wake Phase Disorder)
    ・社会生活を行う上で、望ましい時刻に入眠できず(入眠困難)、同時に望ましい時刻に起床できない(起床困難)ことを特徴とする
    例)夜12時に布団・ベッドに入るが、深夜2-3時まで寝付けず、朝7時に起きたくても起きられない。
  • 睡眠・覚醒相前進障害(ASPD:Advanced Sleep-Wake Phase Disorder)
    ・社会生活を行う上で、望ましい時刻の前に強い眠気により眠ってしまい、同時に望ましい時刻より前に自然に目覚めてしまうことを特徴とする
    例)夜11時頃まで起きていたいのに、夜8時になると強い眠気に襲われるため寝室で寝てしまい、深夜3時頃にすっきり目が覚めて、その後は眠れない。
  • 不規則睡眠・覚醒リズム障害(ISRD:Irregular Sleep-Wake Phase Disorder)
    ・一日の中で複数回(3回以上)の睡眠が不規則に出現(いわゆる分割睡眠)
    例)昼過ぎに、いつのまにか2−3時間眠ってしまい、また夜も数時間眠ったあとに目が覚めて、何か活動をするが、明け方にまた眠ってしまう。
  • 非24時間睡眠・覚醒リズム障害(Non-24 CRSD)
    ・睡眠周期が24時間を越えているため、自然に寝付く時刻と自然に目が覚める時刻が1−2時間程度、毎日、遅くなることを特徴とする
    例)昨日は深夜1時頃に寝付いて7時に起きられたが、今日は1時に布団に入ったのに深夜3時頃まで寝付けず朝9時過ぎまで起きられなかった。一昨日は23時に寝付いて5時頃に目が覚めた。日々2時間、寝付ける時間・目が覚める時間がずれていく。
  • 交代勤務障害(Shift Work Disorder)
    ・夜勤などの交代勤務に従事した結果、不眠や(勤務中の)過度の眠気が、総睡眠時間の減少を伴って生じる
  • 時差障害(Jet Lag Disorder)
    ・最低2時間以上の時差のある地域にジェット機により移動した際に、現地あるいは帰国後に不眠や過剰な眠気が生じる

    ・渡航後、もしくは帰国後2日以内に、不眠に加え、日中の強い眠気や全身倦怠感(だるさや頭の重苦しさ)や胃腸症状(下痢、腹痛など)などを認めることが多い
    Social Jet Lag:休日などに2時間以上、夜更かしをすることによって、時差のある地域に移動していなくても、平日に時差障害と同様の症状を来した状態

 確定診断には、これらの症状が3ヶ月以上持続し、最低でも7日間(できれば14日間)の睡眠日誌(睡眠記録、睡眠アプリ)や睡眠記録計(アクチグラフ)により客観的に睡眠・覚醒のパターンを確認する必要があります。

 

治療

・主に体内時計を安定させる薬を服用しながら、睡眠日誌を付け、規則正しい生活をおくることで、通常は1〜2ヶ月で睡眠・覚醒リズムは改善します。

・ただし、胃腸などの内臓の体内時計の回復には更に数ヶ月の時間を要します。

・また、睡眠・覚醒リズムが落ち着いたからといって、夜更かしや朝寝坊をすると、睡眠覚醒リズム障害が再発することがあります。

・寝付けない・起きられないことの背景に、精神科疾患や発達障害、心理的要因が隠れている場合、治療が長引くことがあります。

 

 

【院長の「概日リズム睡眠・覚醒障害」に関する業績】

論文(共著含む)

・Abe T, Inoue Y, Komada Y, Nakamura M, Asaoka S, Kanno M, Shibui K, Hayashida K, Usui A, Takahashi K.  Relation between morningness-eveningness score and depressive symptoms among patients with delayed sleep phase syndrome.  Sleep Med. 2011, 12(7):680-4

・Yanagihara M, Nakamura M, Usui A, Nishida S, Ito E, Okawa M, Inoue Y. The melatonin receptor agonist is effective for free-running type circadian rhythm sleep disorder: case report on two sighted patients. Tohoku J Exp Med 2014 234(2):123-8

  

学会発表(共演含む)・学会講演

・西田慎吾、中村真樹、植木洋一郎、菅野芽里、林田健一、井上雄一:メラトニン受容体アゴニストramelteonの睡眠相後退症候群(DSPS)治療における有効性の検討、第36回日本睡眠学会、京都(2011.10.15)

・西田慎吾、中村真樹、伊藤永喜、植木洋一郎、菅野芽里、林田健一、井上雄一:メラトニン受容体アゴニストramelteonの睡眠相後退症候群(DSPS)における有効性と治療反応性規定要因に関する研究、第37回日本睡眠学会、東京(2012.6.28)

・駒田陽子、西田慎吾、碓氷章、中村真樹、菅野芽里、笹井妙子、井上雄一:夜間摂食症候群と睡眠関連摂食障害の概日リズムからの検討、第42回日本臨床神経生理学会、東京(2012.11.8)

・柳原万里子、中村真樹、西田慎吾、伊藤永喜、碓氷章、井上雄一:非24時間睡眠覚醒症候群患者に対しラメルテオンを投与し改善が得られた3症例、第38回日本睡眠学会、秋田(2013.6.28)

・駒田陽子、西田慎吾、碓氷章、中村真樹、菅野芽里、笹井妙子、井上雄一:1次性睡眠関連摂食障害と睡眠薬服用・リズム障害に伴う2次性睡眠関連摂食障害の臨床的特徴の比較、第38回日本睡眠学会、秋田(2013.6.28)

・西田慎吾、碓氷章、中村真樹、伊藤永喜、松井健太郎、林田健一、植木洋一郎、菅野芽里、駒田洋子、高橋清久、井上雄一:睡眠相後退症候群(DSPD)治療におけるメラトニン受容体アゴニストramelteonの治療反応規定因子の検討、第39回日本睡眠学会、徳島(2014.7.2-4)

 

一般・企業・医師会等向け講演

・メラトニン受容体アゴニスト・ラメルテオン「不眠症治療を考える」:不眠症治療Up to Date-これからの薬物療法を考える(奈良、名古屋、大阪、東京都・市区医師会など計14回)

・睡眠医療冬季セミナー:睡眠の量・質とリズム障害

 

雑誌など

・「「起きられない」ボクと「眠れない」アイツの処方箋」Men’s NON-NO 2016.10号p226-227

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